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ちょこれいと本舗

ここはちょこさんと猫さんの経営するお店です。
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twinkle twinkle 1

記入者 ちょこ



 
twinkle twinkle
 
  
ナルトは金茶に青い目のシマ猫、イルカという人の好い人間のアパートで飼われている。
カカシ先生というのは、ナルトが死にかけていた時に助けてくれた灰色の綺麗な猫で、今は一緒にイルカの部屋に住んでいる。
飼われているわけではなく、住んでいるのだそうだが、ナルトにはよく違いがわからない。
こうしてつい最近二匹はすったもんだの末に、やっと両想いの恋猫同士になったのだった。
そしてサクラは白くて毛が長い種類の猫。耳の所だけピンク色に染められている、お洒落な女の子だ。
カカシと恋猫になる前、お洒落で可愛い、ちょっぴりお姉さんみたいなサクラにナルトは憧れていたのだが、ちょっとだけ大人になったナルトは、あれは恋とは違う“好き”だったんだなあなんて、ちょっぴり懐かしい気分で思い出したりするのだった。
 
「誕生日って、生まれた日……のことだってばよ?」
 
ナルトが恐る恐る尋ねると、サクラは「そうよ」とちょっぴり偉そうに顎を上げて
 
「誕生日はね、その猫がこの世に生まれた大切な日なのよ。恋猫なら、“生まれてきてくれてありがとう!あなたが生まれてきてくれて嬉しい”って、お祝いしてあげなくちゃね。っていうか、あんた恋猫のくせにカカシ先生の誕生日知らなかったの?」
「ふ、普通知ってるものだってば?っていうか、なんでサクラちゃんはカカシ先生の誕生日なんか知ってんの?」
 
まさか、サクラちゃんてばカカシ先生のこと……。
じとっと胡乱な目付でサクラの顔を伺えば、急にサクラは焦って
 
「え、ちょっ、ちが、違うわよ!!!ばかねっ、乙女の常識よっ。知り合いの誕生日くらい知ってて当たり前なのっ。それに、私はサスケ君一筋って知ってるでしょ~」
 
途中の説明はともかく、最後の“サスケ一筋”にはなるほど確かにと納得できて、ナルトは素直に頷いた。
 
「お祝いって、どんなことするんだってば?」
 
ナルトの、ちょっと短めの尻尾がそわそわと動き出す。
カカシにはいつも何かもらってばかりだ。
大好きな猫から大好きなものをもらうとすごく嬉しいし、幸せな気持ちになる。
同じようにカカシを幸せな気分にしてあげるのだと思うと、ナルトはすごく楽しくなってきた。
 
「そうねえ、“おめでとう!”っていうでしょ、それから一緒にご飯食べて……って、ナルトとカカシ先生はいっつも一緒にご飯よね……。あとは、やっぱりプレゼントかな」
「プレゼント……」
 
カカシがもらって嬉しいものってなんだろう。
ナルトがこれまでにもらって嬉しかったものといえば、カカシにもらったキラキラした石とか、あと、カカシがしとめたネズミ、サスケがくれたバッタも面白かった。
だけど、ナルトはキラキラした石なんて持ってないし、ネズミをしとめる腕も無い。そもそも、ネズミもバッタもわざわざナルトがプレゼントしなくとも、カカシなら簡単に捕ることができるわけで、そんなものをプレゼントされても喜んでくれるだろうか。
ナルトは困ってしまった。なにしろ今日中にプレゼントを決めて手に入れないと間に合わないのだ。悩んでいる暇は無い。
 
「カカシ先生はナルトにもらったものならなんでも嬉しいと思うけどね~。まあ、要は気持ちよ!ナルトが今できる範囲で頑張ればいいの!そしてあとは、あま~い二匹の時間、ね。うおっしゃ~メルヘンゲット~!!!」
「なんでもよくて、気持ちで、できる範囲???」
 
なんだか妙に気合いの入っているサクラにちょっぴりびびりつつ。
ナルトはますます何をあげたらいいのかわからなくなってしまって首を捻り、捻って捻って捻りすぎて、しまいにコロンと転がってしまった。
 
サクラと別れて、ナルトはきょろきょろしながら町を歩いた。
綺麗なお花とか、クローバーとか、変な形の石とか、蝉の抜け殻とか、見つけたものを片っ端から取ってきて、ナルトの秘密基地……ちょっと寂れた公園の中にある、ぞうさんの滑り台の下……小さなくぐり穴の中に並べてみる。
どれも悪くないのだが、どれもしっくりこない。
カカシに“生まれてきてくれて嬉しい!ありがとう!!”という気持ちを伝えるのだから、もっとスペシャルでもっと最高のプレゼントじゃなくちゃ。
手に入れたプレゼント候補達を眺めながらナルトは
 
「おれの愛ってば、こんなもんじゃないってばよ!!」
 
サクラだって、“今できる範囲で頑張れば”と言っていた。
つまり、できる限り頑張らなきゃいけないのだ!
タイムリミットは、イルカがご飯を用意してくれる、夕方の六時半。
こうなったらぎりぎりまで考えて、頑張って、その中で一番素敵な獲物をカカシにプレゼントしよう。
ようやく納得できたナルトの顔が、ぱあっと明るくなる。
 
「よしっ、これがおれの“愛”だってばよっ!!!」
 
ナルトが尻尾振り振り意気揚々と歩きだしたその時、キラキラした緑色の、まんまるい何かが鼻先を掠めて……ブンブン言いながらすごい勢いで逃げて行った。
 
 
 
 






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ようこそいらっしゃいました。こちらはカカシ先生とナルトくんに愛を注ぐお店です。同好趣味のお客さまに限りごゆるりと御寛ぎ下さいませ。お約束として店内全作品の無断転載は禁止させて頂きます。
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↓店主たちにささやかなチップをあげる。
店主:
ちょこ&猫
略歴:
ひょんなことから出会った一人と一匹。かなり仲が良いらしい。

店主1号 ちょこ
本店: blue shooting star

店主2号 猫
本店: 空気猫
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