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ちょこれいと本舗

ここはちょこさんと猫さんの経営するお店です。
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コンビニ店員と猫とオムライス

記入者 猫
 




「あああ、オムライスちゃんってばごめんってばよー」

ぺこんとへこんだプラスチックの容器にナルトは手を合わせて頭を下げる。祖父に育てられたナルトにとって食べ物を粗末にすることはご法度。
「しかたねぇこれは買い取ろうってば」
捨てるわけにもいかず、うん!と納得して、ナルトは立ち上がる。
ホワイトとモスグリーンのストライプのシャツ。緑色のエプロン。胸元の名札にはうずまきナルトの文字と顔写真。木の葉マートの制服のまま、ナルトは店外にいた。
ダストボックスに放り込もうとして止めたオムライスの容器を持って、ヤマトの待つ店内に入ろうとすると、
ナーと足元に擦り寄ってくるシルバーグレイの毛並みの美しい大人猫と金茶の可愛らしい仔猫。
「へ?」
ガラス玉のような眼で期待いっぱい(少なくとも子猫の方は)に見つめられ、
「・・・・・・・・」
ええと、とナルトは頬を掻きつつしゃがみ込む。オムライスと猫たちを交互に睨んで、躊躇った末に一言。
「おめーら、腹空いてんの?」
「にゃーん!」
と、仔猫の方が元気良く鳴き声を上げる。大人猫の方はおまえ実は喋れるぢゃねーのってくらいかしこそうな瞳でじぃっとナルトのことを観察している。
「仕方ねぇってばねぇ」
自分もちょこっと租借しつつ、オムライスの卵の部分を手の平にのせる。すぐに餌に飛びついたのは、やっぱり子猫の方で、大人猫の方は子猫が食べる姿をすぐ隣で見守っている。保護者みたいなその態度にナルトは思わず笑みを零す。
「おまえカッコイイってばねぇ」
シルバーグレイの猫にナルトは話しかける。
「なーんか誰かに似てるような気がするってば。その左目の傷とか・・・」
犯人を当ててやるぞ!と意気込む探偵のようにナルトが猫たちを見つめる。そういえば、こっちの金茶の子猫も誰かに似ているような・・・
「ナールトなにやってんの?」
「わっ!」
うしろから声を掛けられ、飛び上がって振り返ればそこには銀髪の大人。
「カカカカシせんせぇ?」
「よ!いつまでも帰って来ないから来ちゃった」
来ちゃったぢゃねーってばよ、と若干戸惑っていると、大人が不思議そうに視線を足元に落としていた。
「猫・・・?」
「あ、そうなんだってば。なんか腹減ってるみてーでさぁ」
「ふうん・・・―――この子猫のほう物凄く可愛いね」
「カカシ先生?」
言うや否やおもむろにカカシが金茶の子猫をひょいと抱き上げる。
「勝手に抱き上げたらダメだってばよ、おこられるってばよ!」
「わー、ふわふわ・・・」
感動したようにカカシが呟いて長細い指で子猫の喉をくすぐる。しかし。
「いた!」
次の瞬間には子猫は、大人猫に首根っこを咥えられてカカシの手から掻っ攫われる。毛を逆立てて威嚇する大人猫にカカシとナルトは目を丸くした。
「ははは、引掻かれちゃった」
「もしかしてこいつってば他の人間が子猫にさわったから焼き餅やいてるってば?」
「だねぇ、まるで〝オレのだよー〟って言ってるみたい」
「・・・てかカカシ先生、こいつに特別敵視されてねー?さっきオレがさわった時はなんともなかったってばよ?」
「ははは、そうだねぇ。なんでだろうねぇ」
「きっとカカシ先生のさわりかたがあやしかったんだってば!」
「おまえねぇ、それはちょーっと酷くない?」
店の裏で立ち尽くす、大人と少年を残して二匹の猫は、まるでつがいか何かのように足並みを揃えて去っていった。

 

 






 

end

イチゴミルク3のその後です

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ようこそいらっしゃいました。こちらはカカシ先生とナルトくんに愛を注ぐお店です。同好趣味のお客さまに限りごゆるりと御寛ぎ下さいませ。お約束として店内全作品の無断転載は禁止させて頂きます。
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↓店主たちにささやかなチップをあげる。
店主:
ちょこ&猫
略歴:
ひょんなことから出会った一人と一匹。かなり仲が良いらしい。

店主1号 ちょこ
本店: blue shooting star

店主2号 猫
本店: 空気猫
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